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櫻木咲良の告白
フワフワしてて、綺麗で、美しい。
その感情は、空に浮かぶ真っ白な雲のようだ。
この感情を知る前と後では見える景色が一変する。
例えば、幼なじみの漣に朝早くに会えた時。
例えば、漣に「咲良」と呼ばれた時。
例えば、他愛もない話をして帰路に着く時。
そういう時、決まって足元がフワフワして朝の光より暖かい優しいものが湧き上がる。
甘くてまろやかだけど、少し苦しい。
綺麗でだけど少し醜いこの気持ちは、恋と呼ぶには汚すぎる。
だから、この思いは私の中に収めておけばいい。
そして私はこういうんだ、いつも通りの笑顔を見せて
「おはよう、漣」と。
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