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水面漣の独白
ドロドロとしてて、汚くて、醜い。
その感情は、道端に落ちてる吐瀉物のようだ。
それでも、その感情を知る前と後では見える景色が違う。
例えば、朝早くに幼なじみの咲良に会えた時。
例えば、咲良に「漣」と呼ばれる時。
例えば、咲良と一緒に帰る時。
そういう時、決まって心の中にマグマのようなドロドロとして夜の帳より深い暗いものがこみ上げる。
気持ち悪いけど、それでも苦しくはない。
暖かく醜いこの気持ちはきっと、恋と呼ぶには汚すぎる。
だからこの思いは俺の中で収めておけばいい。
そして俺はこういうんだ、いつも通りの笑顔を貼り付けて
「おはよう、咲良」と。
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