2724人が本棚に入れています
本棚に追加
/140ページ
プロローグ
結婚9年、それ位経つと「妻」は人生のパートナーで子供の「母」。
「女」から少し遠ざかり、時々しかそんな雰囲気にもならない。
男性と女性は時間の流れが違うらしいと、結婚の時に兄から聞いた事がある。
今考えるとまさにその通り。
お互いに33歳になると、男の俺は仕事もバリバリ出来る中堅で、下から慕われ上から頼りにされて忙しい日々。
一人息子も可愛いしお父さん凄いって目で見てくれる。
体力もまだあるし、息子のサッカー相手も負けてない。
女である妻は、最近、疲れたとかだるいとか良く言うようになって息子の走りにも追い付けなくなったと笑っていた。
帰ると寝ている事も多いし、家の中でも身嗜みは適当で出掛ける時も化粧はナチュラルメイクで、付き合ってた頃の様なバッチリメイクなんて子供が産まれてから見た事もない。
息子の友人におばさんなんて呼ばれても「はいはい。」て返事してる時点でおばさんになったんだなと思ってしまう。
会社の仲間で飲みに行ったり、同級生に会ったりするとまだ独身の奴もいてちょっと羨ましく思ったりもする。
独身の一人が彼女と言って連れて来たのは25歳と聞いて驚いたりもする。
その友人に「全然、見えない、28歳で通用しますよ」、なんてお世辞だと分かるけど、「そうだろ?」なんて思う。
結婚なんかもっと遅くても良かったかなと、頭を掠めた。
最初のコメントを投稿しよう!