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一話 また始まる
私達、これからどうすればいいんだろう。そんなことを私は頭で考えていた。もう、6人の人間が死んだのだ。
ジュントさん、リンさん、ネムさん、シンさん、リュウさん、美舞さん
ただ、分かるのは、、、、、、ひとつだけ。もう、前にしか進めない。私達はこれからまたこのゲームをし続けなければならない。何の為に集められたのか。その情報は少しづつではあるけど、集められつつある。このまま行けば、明日にでも全員がここから生きて出ることが出来るかもしれない。けど、犯人は、、、、この中に居る。誰だろうか、分からない。私はそんなに頭がいいわけじゃないから。ナギサくんは凄いな。私より年下なのにバシバシ解決していってる。
「、、、、、、、、、もう、これしか居ないんだね。」
突然、ゼラさんがそう呟いた。そう、たったこれだけ。またその中から人が居なくなる。ショックなのか帽子を深く被っている。
「そう、ぴょん。たった、これだけ、、、もう嫌ぴょん、、、、」
ミウサちゃんが泣きそうな声で言った。
私達はどうしたらいい?どうすれば、
どうすれば、、、、、、、、、、?
「どうしようも、無いのかもね。犯人は最初から僕達を出す気は無いのかも。ここて、犯人もろとも死ぬとか。」
アイラさんが諦めたような口調で誰にともなく言った。ここで、私達は死ぬのだろうか?
「え?ここで死ぬ?それは嫌だなぁ、、」
コトハちゃんが本当に嫌そうな顔をした。そりゃそうだよ、私だってそう。
「うぬ、我だってそうだぞ?ここから脱出できた暁には絶対論文にするのだ。」
ユウカちゃんは何故か強気だ。死にたくないのは私も一緒だけど。
「「、、、、、、、、、、、、」」
私とナギサくんは無言だった。ここで無責任な発言はしたくない。それに、ナギサくんは何も聞いてなさそうで上の空だった。
「、、、、、まぁ、ここに居てもしょうがないし僕は行こうかな。皆気をつけてね。
ここでは何が起きてもおかしくないから。」
「、、、、、っ、、、、」
アイラさんが脅すような口調で去っていった。
「じゃあ、私もー。ふふ、また何か起きるのかな?」
「僕も少し考え事したいからまたね。」
コトハちゃんとゼラさんが出て行く。
「ふぅー、我も夕飯にするか。」
「お、お腹空いたぴょん。ユウカちゃん、一緒に行くぴょんー!」
2人も出ていった。残りは私とナギサくんだけ。
「ナギサくん、、、、、行かないの?」
私は気まずくなって彼に話しかけた。
「、、、、、、、、」
「?」
彼はどうやら考え事をしていて気づいてないみたいだ。
「おーい、、、、ナギサくん、、、、?」
私はナギサくんの前で手を掲げる。すると
「、、、、うわっ!?びっくりしたぁー、アンナお姉さんかぁー」
心底驚いたみたい。けど、、、、私はその時の彼が驚いたという顔ではないことに気がついた。多分、怯えている。
「、、、、、、、霜花」
私は敢えて触れて欲しくないであろうその名前を出した。
「、、、、、、、、、、、」
ナギサくんは何も答えない。けど、その彼の厳しい目が私の言葉を肯定していた。
「、、、、、ナギサくん、、、君は、、、、、何に、、、怯えているの?」
「っ!?」
ナギサくんは驚いた顔をした。今度は本当の驚き。彼には多分、暗い過去がある。だから、きっと他人とは仲良くなりすぎず、離れすぎずをやってきたんだと思う。
「ところでさ、『それ』どこで知ったの?後、なんで会議の時、僕の名字のことをどうして言わなかったの?」
ナギサくんは貼り付けたような笑顔で私に尋ねてきた。試している、そう感じた。
「黒幕が、、、、、話していたのを、、、聞いたの。それと、、、、名字は、、、、なんとなく、、、、言わなかっただけ、、、」
私は慎重に言葉を紡いだ。一歩間違えれば殺されるかもしれない。
「そう、、、、それさ、誰にも言わないんで欲しいんだ。真実は全部話すからさ。」
ナギサくんは真剣な目つきでそう言った。余程言って欲しくないのだろう。私は無言で頷いた。
次回は5/27(木)公開予定!
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