一話 また始まる

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「ありがとう、それでなんだけど、、、、えっと、確かに僕の本名は霜花ナギサだよ。正直、本名を名乗るのはよくないと思ってさ。それに、展示室の霜花ミズナっていうのは僕の姉さんなんだ。実際に自殺しちゃったけど。って言っても僕には記憶が殆ど無いんだ、、、、。姉さんは元々いじめられっ子でさ、それで自殺しようとしてたみたい。そこで、とある女の子に助けられて自殺を思い止まったって言ってた。 結局、その子が死んだすぐ後に後を追っちゃったけどね。」 ナギサくんは一気に話した。 「ほら、これ読んでみなよ。」 ナギサくんは私にとあるものを手渡した。 「、、、、、?これは、、、、」 青い本みたいだ。 「それは日記。〇〇の部屋に置いてあったんだ。読んでみてよ。」 私はナギサくんに言われるがままページをめくった。 『2009年8月XX日 今日から日記を書くことにする。何故書こうと思ったか?それは残しておかなければいけないと思ったからだ。 この悲劇を二度とこの世に生み出さないように。今日、いや正確には昨日両親が亡くなった。この世の何処にも二人の存在はない。しかも、強盗殺人の可能性が高いと警察は言っていた。両親は殺されたのだ。私の妹 と兄は絶望的な目をしていた。妹 の方は死んだような目で殆ど何をしたか覚えてないと言っていた。私達はこれからどう生きていけば良いんだろう。』 「、、、、、、」 両親を失った、か、、、、私はもう離婚してるしなぁ。 『9月XX日 私は学校を辞めて、中学生でも出来るバイトを始めた。兄は病弱で、中々動けず一人で稼ぐのは大変だと思ったからだ。正直、分からないことだらけだし怒られてばかりだけど妹 や兄の為に頑張ろうと思う。』 、、、、、、、なんか、えっと。頑張り屋だったんだなぁ。 そこから数ヶ月は何も書かれていなかった。楽しい日々なのか、それとも、、、。 『2010年5月XX日 この日記を開くのは随分と久しぶりだ。私の三日坊主が出てしまったようだ。だが、あまり書くこともないのだが。妹 は少しずつだが元気を取り戻していて今はほぼ完治していた。妹 の心を少しでも軽く出来ればいい。兄も疲れているみたいだ。少し休ませてあげよう。』 兄と妹が居たのかな、、、、。そういえば、この日記の主は誰なんだろう? 『8月XX日 両親が死んで今日で一年だ。三人でお墓に出掛けた。私達は二人が好きだった花を添えた。名前はなんだったけ、妹 に聞いたのに忘れてしまった。私の記憶能力が少ないのがバレてしまう。さて、今日は花屋のアルバイトだ。それなりに慣れてきたし、先輩とも仲良くなれていると思う。夕飯を作らないと、、、。』 「、、、、ん?」 この日記の2011年は一つだけのようだ。 『2011年 兄が死んだ、死んでしまった。私のせいで死んでしまった。なんでなんでなんで。私が公園に遊びに行こうなんて言わなければ。兄は殺されなかったのに。妹 は悲しんでいた。苦しそうだった。彼女を守ってあげられるのは私だけなんだ、、、いや違う。〈俺〉だけなんだ。そうだ、守らなきゃ。』 俺、、、、か。この日記の主は女だけど気を強くしようとして俺に変えたのかもしれない。リンさんと似たような感性があるのかも? 『2012年10月XX日 今日、妹 が久しぶりに学校で放課後まで遊んできた。三年前まではこんな事なかったのに。嬉しい、やっと少しずつ彼女が元気になってくれるなんて。両親の死と兄の死の両方を二人で乗り越えてきたんだ。きっと二人でなら乗り越えられるはずだ。』 私はこの日記に違和感を永遠と感じていた。なんだろう、、、、? 『2013年3月XX日 妹 が死んだ。消えた。俺は何の為に生きれば良い。俺は、たった一人で生きていかなきゃいけないのか?殺されたんだ、復讐したい。妹 を殺した犯人を。』 、、、、、妹までも殺されちゃったの、、、? そして、日記は真実へと近づいて行く。 『2014年3月10日 俺と妹 の誕生日。 俺は、謎のゲームに巻き込まれた。あのゲームは悲惨で何人もの人間が犠牲になったんだ。例えば✖︎✖︎✖︎✖︎、✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎の兄妹や✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎、✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎の友人ペアなどだ。彼らの犯した罪は許されない行為だ。だからこそ、出頭してほしいと思ったのだ。だけと、死んでほしいなんて思わなかった。俺は今、とある所に匿われている。警察や政府は俺とこのゲームの主犯である✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎を追っているはずだ。きっと俺も共犯者として捕まることになるのだろう。それだけは死んでもお断りだ。』 謎のゲーム、、、、?それってまさか、、、?それにこの日記の主は、、、、すべてが繋がる。 「謎のゲームは、、、、、『鬼の再現物語』と呼ばれた大量殺人事件、、、、そして日記を書いたのは、、、、あのゲームの生き残り、、、、春風ナルさん、、、、の事、、、、妹の謎の間は、、、多分、、、ナユって書いてあったんだ、、、、。」 私は一気に喋った。そうか、そういうことだったんだ。 次回は5/28(金)公開予定!
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