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「黒く塗りつぶされているのと妹の後に僅かな空白があるのは多分、僕達の中に知り合いがいたからだと思う。妹の方はアイラお兄さんから聞いたから間違い無いと思うよ?」
主犯者の名前は確か、、、、潮風ヒナタだったはずだ。
「僕達は彼らの知り合いだったからここに呼び出された。そして、僕はそこに姉さんのことも混ざったんだ。それと、、、」
ナギサくんは更に資料を出してきた。
「、、、、これは?」
「それは、参加者資料。僕の本名が書かれているから僕がずっと持っていたんだ。分かるでしょ?」
成る程、、、、、確かにそうかも。
「うん、、、、それで、、、、えっと、、、」
私は資料を読んだ。そして、自分のところで手が止まる。
『中柱アンナ
物静かでゆったりとした少女。前回の鬼の再現物語で姉を失った。正直、よく分からないが勘は鋭い。狂った時に何をしでかすかは分からない。』
、、、、、なんか、酷い。
「僕達の情報が事細かに書かれてるんだ。僕達しか知らないはずの情報もね。僕の本名もそうだけど、姉さんのこともそうだよ。嫌になるね、、、、犯人は僕達を救いたいみたいだ。」
、、、、、、、救う?それって、、、、
「救うのは、、、、、死ぬ事、、、、?」
私はその言葉を伝えていた。
「え?死ぬことが救うことになる?それ、どういうこと?」
ナギサくんが困惑した表情で私に聞いてきた。あ、そっか。
「うん、、、、、黒幕の、、、話で出てきたの、、、、『死』こそが救いになるって、、、」
「えぇ?じゃあ、あの資料室で見た僕達を救うって死ねって事?あり得ないでしょ!?」
いや多分それが真実だ。正直信じられないけど。
「、、、、、、多分合ってる、、、私達を殺す為に黒幕は、、、、、ここに誘拐した、、、、」
私達は、ここで全員死ぬのだろうか?
「そんなの信じたくないよ、、、!!!」
ナギサくんが目を見開いていた。
「、、、、けど、、、、それ以外、、、考えられない、、、、」
分からない、信じたくはない。けど、私達を救う為に黒幕はここに集めた。それが妥当だと思った。
「僕達が集められた理由は、鬼の再現物語で友人や家族が死んだから、、、?でも、でも、、、、!じゃあなんで僕なの?意味わかんないよ、だって僕は柊ハルトが知り合いだよ?ただの家庭教師だよ?」
「、、、ナギサくんは、、、お姉さんの、、、ことじゃ、、、、ないかな、、、?」
多分、、だけど。でも、何故ナギサくんのお姉さんの展示室なんかあるの?黒幕は私達に何をさせたいの?
「何も、分からない。僕達はまた殺し合いを続けてどうなるの、、、?」
救う、それが一体何なのだろう?
『あのぉー?お二人さん!そろそろここ閉めちゃうんで、たったと出て行ってくれませんかぁ?』
ズミちゃんがほっぺをプクーと膨らませていた。怒ってるのかな?
「あ、あぁ、、、そっか。」
ナギサくんは微妙な顔をしながら部屋を出て行った。私も後に続く。
私達はこれからどう生きていけばいいんだろう?ズボンのポケットを見る。そこにはズミちゃんから渡されたナイフが入っていた。何かあったらこれが凶器になるのかな?嫌だな、、、、誰も殺したくない。けど、黒幕を暴くことが出来れば、、、!!みんなでここから脱出出来るかな?そうしたら、どうしよう?みんなでお買い物とか行きたいな。コトハちゃんとか女子力高そうだし洋服とか選んで欲しいな。みんなで、、、、、みんなで、、、、、そんなの夢なのかな?いや、変えてみせる。お姉ちゃんの死だってそうだ。お姉ちゃんは確かに死んだ。私の知らないところで死んだんだ。だけど、それにずっと引っ張られてばかりではいけないから。前に進むんだ。後ろは時々振り向いて、行ってくる、そうお姉ちゃんに言えるように。
「、、、、、、、、、、、、、」
もう、誰かが死ぬのは嫌なんだ。黒幕を暴き出してやる。たとえ、
私が死んだとしても。
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