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秘すれば花14
「や……あ、そんなとこ拡げないで…………」
アパートの狭いバスルームに声が響き、慌てて口を押さえる。ボディーソープで泡まみれの薫は、腰を島崎につき出すようにして蕾を指で開かれていた。さっきからそこにずっとシャワーを当てられていて、見られている恥ずかしさとお湯の感触にどうにかなりそうだ。
「お願い……、島崎さ……もう、やだ」
「もうちょっとだけ、我慢して」
本当は中のものを出してしまった方があとが楽だと聞いたが、初めてではそれも辛いだろう。シャワーでも多少は洗浄出来るらしい。少し水圧を上げてそこに当て続けた。
「あ……、ああっ」
さっきまでとは違う声に驚いて、塁は急いでシャワーを止めた。飛沫がなくなりよく見れば、お湯の当たっていたところがひくひくと収縮している。浴槽の縁に手をついていた薫の中心を見ると勃ち上がり、先の方からは雫がタラタラと滴っていた。
「痛くて声が出たんじゃなかったんだね?」
「──」
俯いて答えない薫の体を洗い流し、今度は壁際の浴槽の縁に座らせた。島崎が広げた足の間に入り両手で胸をつかむ。以前はかろうじて摘めた乳首が、今日は赤く腫れぼったく膨らんで塁を誘う。
「ここは自分でしてたんだ?」
「だ……って、島崎さ……に触ってもらえないから……」
半泣きになりながら薫が言うと、ごめんねとまぶたにキスをしてきた。唇を合わせて舌で歯列をなぞり、口腔内を愛撫する。その舌が鎖骨をなぞり、ゆっくりと胸に降りてきた。
自分で会わないと決めたものの、愛された胸の感覚が忘れられずに一人でする時に弄っていたのだろう。薫のその姿と自分への気持ちを思い浮かべるだけで熱いものが込み上げてくる。
「薫のここ、美味しそうに赤くなってる」
「そんな、の、言わないで……」
自分でもわかっていた。少しずつ変化する胸が気になり、暑くなってきたのにアンダーシャツを厚手のものに変えたくらいだ。顔を背けるが、島崎は冗談めかしていただきますと片方の胸をパクリとくわえた。熱い舌で舐めては転がし、何度か軽く噛んだあと強く吸うと甘い声が上がった。
「あっっ、あん、やああ……」
薫はあまりの気持ちよさに自然と腰を揺らしていた。それに気づいた塁はふいに乳首から唇を離す。
「あ……?」
胸からさらに降りてきた熱い唇は、一瞬で薫の中心めがけて覆い被さってきた。されたことはなくても、この先どうされるかの知識はある。恥ずかしさに身をよじり、足を閉じようと抵抗しても逞しい体はびくともしない。
「だめです、やめて下さい。そんな……」
やめられるはずがない。薫とつき合うまでは、同性に口淫することなど考えられなかった。でも今は薫を気持ちよくしたい。いや、ただただ薫の全てを味わい尽くしたいだけだ。
手で扱きながら先を咥え、今度は根元からゆっくりとしゃぶる。くぼみを持ち尖らせた舌を先端に差し入れると、薫は声を押し殺して耐えている。快感より羞恥の方がまだ強いようだ。最後に喉の奥まで咥えて吸い上げると、薫は声を上げた。
「やだ、や、あ、ああああっ……」
頭を嫌々と振りながら達した。どくどくと喉に流れ込む薫のものをごくりと飲み干してしまう。
「ご、ごめんなさい、僕……」
小さな声で薫が謝る。
「俺がしたかったんだ。俺こそ無理やりしてごめん」
「謝らないで下さい。恥ずかしかったけど、あの…………」
「ん?」
「すごく気持ちよかった……です」
潤んだ瞳で島崎を見下ろしてくる。気づかれないようにそっと塁はため息をついた。
「そんな色っぽい顔、他のやつに見せるなよ」
「えっ?……はい。島崎さんだけです」
「約束したぞ」
そう言って、薫の火照った体を抱え上げた。
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