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 「ピンポーン」  家のチャイムが鳴った。どうやらマリアのお友達とそのお母さんが来たようだ。  あぁ、どうかぼくを見つけないで。  「マリアちゃん、遊ぼう」  「サリーちゃん、こんにちは。今うさぎちゃんに本を読んであげてたのよ」  「うさぎちゃんって?」  「ほら、このうさぎちゃん。昨日公園で私たち出会ったのよ」  サリーちゃんが不思議な顔をしていると、サリーちゃんのお母さんが慌ててやってきた。  「サリー帰るわよ」  「え?ママ、今来たところなのに......」  「おばあちゃんが倒れたの。病院に行かなくちゃ」  二人は帰った。どうやら二人には僕は見つけられなかった。  「ママァ、サリーちゃんのおばあちゃん大丈夫かな?」  マリアが心配そうにお母さんに聞いた。  「そうねぇ、サリーちゃんのおばあちゃんもうかなりのお年だからね。最近は腰もだいぶ曲がってらしたし...」  (あぁ、もしかしてぼくに話しかけてきたあの老婆ね。だからだよ。ぼくは彼とだけいたいんだ。だって彼だけが・・・)  「うさぎちゃん。今日は私と一緒に遊びましょ」  マリアはそう言ってぼくをずっと離さなかった。トイレとお風呂の時だけはお母さんに止められてぼくを置いてったけど、それ以外はずっと一緒。ぼくは今日だけだからマリアに付き合ってあげた。
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