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聡介の一途さはあたしが一番よくわかっている。
「おはよう2人とも」
教室にはいってすぐあたしとエリカの姿を見つけて声をかけてくる。
笑顔になると両頬に出てくるエクボがかわいらしくて、思わず胸がキュンとした。
「おはよう聡介」
少し頬を熱くしながら返事をすると、目の前のエリカがにやけ顔になった。
「遠くの正文君より、近くの聡介ってわけか」
そう言われてあたしは慌てて左右に首をふる。
「な、なに言ってんのエリカ」
「でも本当のことでしょう? いいじゃん2人とも付き合ってるんだから隠さなくても。それとも照れてるのかな?」
あたしの頬をつついてそう聞いてくるエリカは完全に楽しんでいる様子だ。
こうなってしまうといくらなにを言っても聞く耳を持ってはくれない。
散々あたしをイジって楽しむのだ。
「恵美、今日一緒に帰れる?」
あたしとエリカのやりとりを微笑ましそうな表情で見つめていた聡介が聞いてきた。
「え、あ、うん」
慌ててエリカとの会話を中断してうなづく。
「よかった。じゃ、今日も一緒に帰ろう」
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