祖母の死

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祖母の死

「おばあちゃん!!」 棺に入れられた痩せ細った体 大好きなおばあちゃん、、、 私は韓国に住む祖母のお葬式に来ていた 父が韓国人で母が日本人の間に産まれた 私は秋野ユナ20歳 日本に仕事に来ていた父が母に一目惚れして結婚   私が10歳の時に父は突然の事故で亡くなってしまった 私は日本で生まれ育ったが 韓国に住む祖母には父が生きている間に 何回か会いに行っていた 料理が得意な祖母は地元で料理を教えていた 父が亡くなりなかなか会えなくなっていたが    私が高校を卒業してからは祖母に会いたくて 一人で何回か韓国に行っていた 母は韓国語は全く話せない 私は小さな時に父に 教えられていたので少しわかる程度だ 実際には祖母と話す程度の片言な言葉だけだが 大好きな祖母と話をするには困らなかった 地元の祖母から料理を習っていた人たちが 別れを惜しむ 来てくれた人に片言の韓国語でお礼を言い 韓国に来ていた時に祖母に習った料理でもてなす 母はすでに再婚していたため、このお葬式には 来ていなかった 「ユナ?」 父の兄ミンスさんが話しかけてきた 「今日はありがとう、ところで ユナは今、日本で何をしているの?」 私にもわかりやすくゆっくりと話してくれる 「母 再婚 して 一人 暮らしてます」 「仕事は?」 と聞かれ固まる 高校を卒業してからは施設に暮らす子供たちに ご飯を作る仕事をしていたが、 そこを経営していた オーナーが変わり私は今、無職だった ここ最近は父の残したお金と 働いていた時の貯金で やりくりしていた 「えっと、、、」 説明に困っていると 「もし決まっている仕事がないなら 頼みたいことがあるんだけど」 ミンスさんにそう言われて 「私 にも できる ことですか?」 片言の韓国語で確認する 「あー、できるよ こんな美味しいご飯が作れるなら」 私がお葬儀に来てくれた人に作ったご飯を 指差してニコッと笑いかけてくれた
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