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 街灯の火が琥珀を透かしたように街並みを照らす。  覆いのガラスを恨めしそうに嘗める火の揺らめきに踊る影。足早に人通りのない裏通りを道から道へ、渡り歩く姿を人は何に例えるだろう。  目深に被ったサイズの合わないキャスケット帽を片手で抑えながらハチドリと呼ばれる少年はなお歩みを止めなかった。
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