1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

 彼女はよく分からないものを頬張っていた。  喩えるならそう、分厚い骨付き肉。掴んだ肉にかぶり付いて 、肉の繊維を引きちぎり咀嚼する。  僕にはそれが何であるのかわからない。  見えるのは半透明な物体。彼女になにを食べているのか尋ねたことがある。  彼女は逡巡の後、「ごちそう」とだけ答えた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!