わっしょい

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ある日の深夜、伯母が目を覚ますと声がする。祭りで神輿を担ぐ様な「わっしょいわっしょい」と云う囃し声だ。窓を少し開けて外を覗き見ると、自宅横の道路を数人の男が荷押し車を牽いて声を上げている。荷台には、誰かが倒れた姿勢で乗せられていた。良く見ると、それは叔父のMだった。「最初に見た時は死体を運んでいるのだと思った」 叔父は当時健在だったが、最近脳梗塞をやって、今はリハビリする毎日を送っている。 あれは悪い出来事を報せる先触れだったのかもしれない。
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