秘密

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ゆっくりと話す私を、晃貴は黙って聞いてくれた。 血が繋がってないこと 私が施設にいたこと そこでお姉ちゃんと仲良くなったこと 両親は男の子が欲しかったこと 高校受験に失敗したこと 本当の姉妹じゃないって言われたこと。 お姉ちゃんに嫌われたら、捨てられるかもしれないってこと。 「────だから、どうしてもお姉ちゃんにバレたくないの」 話を終えると、晃貴は「そうか」と私を引き寄せてきて。 「じゃああの写真を山本に合成だって言ったのも、ねーちゃんにバレたくなかったからか?」 「…うん」 「なるほどな」 晃貴は納得したような顔になり、机の上に置いてあった煙草に手をのばした。 「…なんとなく俺も、お前とねーちゃんに何かあるのかってのは思ってた」 「え?」 気づいてた? どうして? 私、晃貴にお姉ちゃん関係のことは言ってないのに。
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