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煙草に火をつける晃貴。
どこからどう見ても爽やか少年の晃貴の顔には、やっぱり煙草は似合わなくて…。
「薬でうなされてた時、ずっとねーちゃんって呼んでたから」
そうだった。
確か良にもそんな事を言われてて…。
晃貴の部屋で過ごしていたんだから、晃貴が知っているのは当たり前だ。
「俺が言うのもなんだけど、1回ねーちゃんと喋ってこい」
「お姉ちゃんと?」
「親ともな」
「どうして?」
「真希の親、コンビニ弁当とか買ってくるか?」
コンビニ弁当?
ううん、いつも夜ご飯は作ってくれる。
朝も食パンが用意されていて、お昼もお母さんが手作りお弁当を作ってくれて…。
晃貴の質問に顔を横にふると、晃貴は「じゃあ大丈夫だろ」と呟いて。
「愛されてるよ、真希は」
自分の顔が原因で離婚した晃貴…。
もうしばらく両親とも会ってなくて…。
多分、いつもコンビニ弁当を食べているのだろう。
そういえば晃貴が何かを食べているっていう光景、見たことが無かったかもしれない。
「……ん」
「付き合うの、ねーちゃんに内緒にしても、いずれはバレるぞ。俺が清光の穂高だってこと」
清光の穂高?
お姉ちゃんは晃貴のことを知ってる?
そうだ、元々は晃貴に狙われていることになって、良の護衛が始まったから…。お姉ちゃんは知っているかもしれない。
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