秘密

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これまでとは違うキスのせいか、その余韻で思考がままならない私は「ど、どうしたの?」とどもってしまって。 「もう無いと思ってた」 晃貴は私にしか聞こてないぐらいの小さい声で呟いた。 「無いって…」 「もう真希に触れられないって」 「……」 「俺のこと好きとか…夢じゃねぇよな」 「…夢じゃないよ、本当に…、晃貴が好き」 私はそう言って、首元に腕を回して晃貴を抱きしめ返した。 ああ、この匂いだと、今更思い出す。 爽やかなシトラスの香り…。 出会った当初、あんなにも嫌だった晃貴…。 「…真希、顔見せて」 そう言われて、少しだけ腕の力を緩めた。 私の首筋に軽くキスをした晃貴はゆっくりと顔をあげて、真剣な表情で私を見つめてきた。 出会った当初はいつも爽やかに笑ってたのに。 「なに?」 晃貴の手が、私の瞼に触れて。 「目ぇ酷くなったな、寝てなかったのか?」 目?酷い? そういえば康二にも同じ事を言われたような…。 隈が出来てるとか何とか… 「あんまり自分じゃ自覚ない…」 「結構酷い」 「あんまり考えないようにしてて、ずっと勉強してたからそのせいかも…」 「何を?」 何を?
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