726人が本棚に入れています
本棚に追加
「知らなかった」
私の線香花火もポタっと落ちて。
康二は三本目になる線香花火に火を付けているところだった。
「徹さんも分かってたみたいだし、ってか徹さん喧嘩強いけど、あんまり争うの好きじゃないっぽかったから、これはこれで良かったんじゃねぇかな」
「怒ってなかったの?」
殴られるかもって言ってなかった?
「怒るっつーより、呆れてた」
思い出し笑いをしている康二は、「にしても、お前すげぇな。お前のこと狙ってくるやつ、もういねぇだろ」と、私にロック式のライターを差し出した。
「うん、聖くんもいるし、晃貴がバックにつくなら、狙ってくるのはただのバカしかいないって。そんな根性あるやついないって話になった」
「まあ、そうだな、泉も消えたしな」
最初のコメントを投稿しよう!