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────また点数が下がってしまった。
学校で返却されたテストの点数を見ながら、心の中でそんな事をおもう。
私の事を「自慢の妹」と姉は言っていたけれど、全くもってそんな事は無い。
どこまでも優しい姉とは違い、私は自分のことしか考えていない。
どこまでも可愛くて綺麗な姉とは違い、私は決して可愛くない
どこまでも頭がいい姉とは違い、私は白鳥高校に落ちた馬鹿。
性格が良くていい姉とは違い、私はいつも姉が羨ましいと思ってる。
どこまでも、全てが揃っている姉とは違い、
私は全てが中途半端で出来ている。
「真希ちゃん、今回のテスト難しかったね」
前回よりもいい点数を取っている友達が、笑顔で言う。
「そうだね」
私は笑いながら、
テスト用紙をカバンの中にしまった。
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