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「なに?どうした」
「いきなり止まんなよ」
突然私の腕を掴んだ男にびっくりしたのか、他の清光の制服をきた男たちは不機嫌そうに立ち止まって。
「ちょっと待て」
私の腕を掴む男は、そんな事を言ってマジマジと私の顔を見てくる。
なに?
私、なんでこんな人たちに絡まれて···。
「やっぱそうだ、お前、市川真希だろ」
市川真希、
私のフルネームを呟いた男は、にやっと笑った。
ほんとなに?
ビクビクする体を抑えながら、顔を下に向けた。
誰、この人。
こんな人知らない。
こんなにも怖そうな顔をして、不良で。
金髪が当たり前のような人に、知り合いなんていない。
「あ?誰だよ」
「市川真希?」
「俺ら先行くぞ」
腕を掴んでくる金髪の男以外、どうやら私のことは知らないらしく、興味無さそうにその場から離れようとして。
「こいつアレだよ、山本聖の女だよ」
そう言った途端、興味無さそうにしていた男達が、こっちに振り向き近づいてくるのが雰囲気で分かった。
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