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え?
これ、やばくない?
と思った時には遅く、私の体は無理矢理駅から繁華街への方へと向けられていて。
「は、はなしてっ···」
「そういうのいいから」
何がいいって言うんだろう。
この人たちが聖くんの知り合いだということは分かった。
でもどうしてお姉ちゃんが出てくるの?
聖くんの彼女だから?
だからってどうして私がこんなことになってるの?
「や、やめてくださいっ」
「マジでうるせぇ」
「はなして!」
男の力では到底適わない。
引きずられるように歩かされ、繁華街の路地裏へと連れていかれる。
こんな路地裏、来たことない。
今から何が起こるか分からず、ガチガチと歯まで震えてくる私の体は仕方の無いことで。
「やっぱそいつ妹だわ、これに名前書いてる」
「だろ?俺、記憶力良すぎ」
私をスムーズに動かすためか、私のカバンは他の男によって取り上げられ、そのカバンの中に入っていたテストの用紙を見ながらそんな事を言って。
記憶力?
ほんとにどうなってんの···?
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