拉致

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限界だった。 扉をあけた瞬間、男の腕の力が一瞬緩み··· 「てめぇっ···」 ドンっと、今出せる精一杯の力で男を押し、 私の足は動き出していた。 震える体。 上手く足が動かない。 「逃げたぞっ、捕まえろ!!」 後ろから声が聞こえた瞬間、 倉庫にいた男たちが一斉にこちらを向いた。 私をここへ連れてきた3人だけではなく、もともと倉庫にいた人たちも、その言葉によって走って逃げ出そうとする私を捕まえるためか、走ってきて。 逃げられないって分かってた。 だって倉庫をでるためには、倉庫の出入口にいる不良の間を通らなければならなかったから。 あっさりと捕まった私は、「やめてっ、離して!!助けて!!」って叫んでいたと思う。 「逃がすわけねぇだろっ、やっと見つけた火種だ」 「意味わかんないっ、誰か助けて!!」 「おい誰か縄持ってこい!」 「ってかこの女、山本の女の妹ってマジ?」 「すげぇなどうやって見つけた?」 ゾロゾロと近づいてくる男たち。 本当に恐怖でしかない。
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