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私のこと
そんな自称霊が見える私こと、塩原礼は普通に事務仕事をしている社会人だ。
私が見ている霊は、目を細めてよく見るとかろうじて透けている程度で、見かけはほとんど生きている人と変わらない。
なので、隠していると言っても、幼い頃はよく見間違えて、同級生に嘘つきよばわりされて敬遠されていた。
いじめとまではいかなくても、陰口はよく言われていたのは知っている。
義務教育期間では友人らしい友人もできず、高校に入ってはじめて1人できた程度だった。
他人からは寂しい人と思われるかもしれないが、私にとっては、やらかした時の対処も面倒で、一人でいることが億劫ではなかった。
社会人になってからも、同期は何人かいたがこちらからは必要に応じて話す程度だったが、ある日、数合わせで私ははじめて社内交流のバーベキューに誘われた。
断ることもできたが、仕事上での面倒も考えて私は参加することにした。
そこで出会ったのが、2歳年上の先輩、西祐介だった。
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