1人が本棚に入れています
本棚に追加
結婚生活
結婚生活も最初は幸せだった。
彼は私を大切にしてくれたし、私も彼を大切にしていた。
問題は私の自信の無さからくる不安だった。
結婚で一度は消えたように思えた不安も時を経るにつれ、またむくむくと成長し始めた。
私は彼を誰にも渡したくはなかった。
そんな相手がいるいない関係なく、その思いはふくらんでいった。
このような思いに取りつかれた私を彼はどう思っているのだろうか。
表情、態度に出てはいないだろうか。
そんなことも不安に拍車をかけていたが、私はできる限り、彼に私の暗い心を悟らせないようにすることで精一杯だった。
彼の前では常に笑顔を絶やさなかった。
彼も私の前では笑顔でいてくれた。
一層のこと、彼がいなくなればこんな不安にならずに済むのにとも思った。
そんなことを思った罰なのだろうか。
ある日、彼が倒れた。
思えば、最近よく疲れると言っていた。
顔色も悪い日が続いていた。
彼はずっと無理をして笑顔でいてくれていたのだ。
だから体調の悪さも後回しになっていた。
そんなことに後になって気づくのだ。
私とは何と愚かな人間だろう。
最初のコメントを投稿しよう!