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「りょうちゃん!」
「……ん?」
「りょうちゃん!」
「……聞こえてるよ」
リョウはフウカを招き入れ、その小さな身体を抱えた。
「あのねぇ、ままがいいって!だからきょうからふうちゃん、りょうちゃんのことぱぱってよぶの!」
「…………フウカ、それは俺が聞くって言ったろ」
「あっ……でもね、ふうちゃん……いっちゃった」
意味ありげな言葉を二人は話すので、訳も分からず首を傾げた。
「……な、なに?どういう事?」
逸る気持ちで素直に疑問をぶつけると、リョウとフウカは顔を見合せた。
「今日、フウカと約束したんだよ。……な」
「うんっ!ないしょのおやくそく〜」
何故だか胸だけが心地良い鼓動を鳴らし、指先は小さく震え、思わず感情が溢れそうになった。
「……なんの話、したのよ……」
「……何の話だろうな」
勿体ぶる言葉を告げ、リョウはフウカを床に下ろした。
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