#08少女はまた夢を見る

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「りょうちゃん!」 「……ん?」 「りょうちゃん!」 「……聞こえてるよ」 リョウはフウカを招き入れ、その小さな身体を抱えた。 「あのねぇ、ままがいいって!だからきょうからふうちゃん、りょうちゃんのことぱぱってよぶの!」 「…………フウカ、それは俺が聞くって言ったろ」 「あっ……でもね、ふうちゃん……いっちゃった」 意味ありげな言葉を二人は話すので、訳も分からず首を傾げた。 「……な、なに?どういう事?」 逸る気持ちで素直に疑問をぶつけると、リョウとフウカは顔を見合せた。 「今日、フウカと約束したんだよ。……な」 「うんっ!ないしょのおやくそく〜」 何故だか胸だけが心地良い鼓動を鳴らし、指先は小さく震え、思わず感情が溢れそうになった。 「……なんの話、したのよ……」 「……何の話だろうな」 勿体ぶる言葉を告げ、リョウはフウカを床に下ろした。
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