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エピローグ
魔法使いみたいな人だった。
みんなは両手、あたしは片手。
我慢しなきゃ、泣かないようにしなきゃ
大好きなママが心配するから。
それが普通、それがあたし。
だけど、急に現れたあたしの魔法使いは
穏やかに笑って、優しく頭を撫でてくれた。
“開けてごらん“
言葉につられてドアを開ければ
目の前は、キラキラと輝く別世界。
ずっと憧れてた。口にすることが出来なかった。
“泣いてもいいよ“
底なしに優しいその人は、すぐに魔法を掛けてくれた。
解けることの無い、魔法だった。
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