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「あ!夏織ちゃん〜なんの話ししてるのぉ?」
そこへ、裏側のガーデンスペースから潮さんが戻ってきた。何も知らない潮さんは首を傾げていつもみたいに可愛らしい笑窪を作り、口角を上げている。
「なんでもないですよ、ウチの子の話です」
「タレントさんかぁ。だれの話〜?」
「やめてください、もう話は終わりましたから」
まさかこんなおっとりしといて、潮さんもレディースとかやってたの……!?
この三人の関係が結び付かずにをぱちくりと瞬かせていれば、再び潮さんの視線がこちらに向く。
「それより、菫花ちゃん、最近可愛くなったよねぇ」
「そうですか?」
「うんうん、恋してる顔、してる」
……そうなのかな、自分では違いがわからない。
だけど、二日あいだが空いたから、確かに朝から変にそわそわして、早上がりだからってスカートなんか履いちゃって。
変に気合い入ってないか、ちょっとだけ心配だったけど褒められたから少し心強いかも。
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