北斗星の転生

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北斗星の転生

 2015年8月23日、寝台特急『北斗星』の、最後の運用が終了した。  それにより、客車寝台特急は全て消滅した。  日本から、鉄道文化がまた一つ消えたのであった…      *       *       *      「う………ん…」  私が目を覚ますと、どこかの線路の上にいた。  私の名前はオハネフ25-214。『北斗星』のB寝台車だ。  「ここは?私は…」  確か、廃車解体されたはず…    外に出て後ろを見てみると、同じく解体されたはずの同志たちがいた。  オロネ25-505、オロハネ25-501、オロハネ24-551、オハネフ25-215、オハ25-503、スシ24-506、オロネ25 506、オロハネ25-503、オロハネ24-553、オハネフ25-14、カニ24-508 。  そして、前にはDD51-1100、DD51-1138。  『北斗星』最終運行のときの編成のままで留置されていた。  「どういうこと?」  私がそういうと、後ろの車両から誰かが出てきた。  「214姉さん!」  「215!?」  「やっと起きたんですか。みんなもう11号車に集まってますよ。」      *       *       *  DD51-1138「みんな名前が長いのでニックネームを決めましょう。私はミワで」  DD51-1100「私はゼロで」  オハネフ25-14「イヨでお願いします」  オハネフ25-214「じゃあ、私はニーシ」  オハネフ25-215「僕はニーゴ」  オロネ25-505「私はマルコ」  オロネ25-506「じゃあ、レイムで」  オロハネ25-501「私はレイチ」  オロハネ25-503「…レイミ」  オロハネ24-553「うちはゴゴミ」  スシ24-506「僕はスシで」  カニ24-508「俺はカニ」  ミワ「それでは、現在地を報告します。まず、ここは日本とよく似ているものの、異世界のようです。     私たちは今、北海道の湧別駅貨物ホームにいるようです」  ニーシ「ええと、名寄本線湧別支線だよね?」  ミワ「そうです。幸い、今は夜の1時ですので騒がれる心配はありません」  ニーゴ「それじゃあ、すぐ出発しますか?」  ミワ「そうですね。ここから札幌までは私たちでは5時間かかるでしょう。早めに出発しておいたほうが     いいかもしれません」  ゼロ「今すぐ出発に賛成の人~」  全員「はーい」  ミワ「では、決まりですね」      *       *       *   ミワ「出発進行!」  こうして、転生した寝台特急『北斗星』は、この世界の札幌へ向けて走り出したのであった。      *       *       *  同じ頃、函館本線ニセコ駅では…    ??「ここはどこだ?」  ??「確か、俺は『踊り子』運用から外れて2022年に廃車されたはず…」  ??「とりあえず、無線連絡を…」
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