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2.君のために生まれてきたんだ
世界中の誰よりも愛しい、僕の大切なユイ。
君が僕と目を合わせてくれない……そんな日が来るなんて、想像したことさえなかった。
いつだって僕は、他の誰よりも近くで、君を守り、支えてきた。
そう。彼氏っていうより、騎士のつもりだったんだ。華奢な僕は、そんな柄じゃないかもしれないけど。
なのに。
(どうして? ユイ)
僕の頭の中は、ネガティブな想像でいっぱい。
繊細過ぎるって、君に笑われてしまうかもしれないけど。絶望で、身体が粉々に砕けてしまいそう。
ハニー。もしかして君は、僕のことなんてもう……。
何よりも、悲しいんだ。
君が、僕に頼ってくれないなんて。
ユイ、君が困ったときには、いつだって僕が力になる。君だってわかってるはずなのに、そんなこと。
しかも、探し物なんて僕の得意分野じゃないか。
たとえば、中学三年生の春休み。君が友人たちと、某夢の国に遊びに行ったとき。
僕とつきあい始めたばかりだった君は、照れくさかったのか、今日は僕がいなくても大丈夫、なんて言ってたけど。
友達とはぐれてしまった君は、すぐさま僕に助けを求めてくれたね。
嬉しかったよ。
もちろん僕は、君の期待にこたえた。
友達をみつけて喜ぶ君のそばで、僕はとっても誇らしかったな。君の友人たちが僕のことを、「ユイにすごく似合ってる」って言ってくれたから。
そう。いつだって、君を支えることは僕の使命、喜びだったんだ。
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