2.君のために生まれてきたんだ

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 君と出会ったのはおよそ二年前。それ以前の君のことを、残念ながら僕は知らないけど。  それまで君のそばにいたやつらには、絶対に負けない。そんな自信がある。  これからだって、それは同じさ。    誰の人生にだって、晴れの日もあれば、雨の日もあるよね。  激しい風に吹かれて、君が倒れそうな日も。ユイ、君のその瞳が、傷つき涙で曇らないよう、全力で僕が守るよ。  ……ただし、いつもそばにいるとはいっても。  僕と君はちゃんと、節度を保ったおつきあいをしている。  たとえば、お風呂や夜眠る前には、僕らはちゃんと離れているよね?  そう、あたりまえのことだけど、僕はユイのストーカーなんかじゃない。  それどころか、ユイの意思なしには、君のそばに近づくことさえできないんだ。  慎重すぎるって、君は笑うかな? ユイ。  だけど、こんな自分を僕は変えられない。変えようとも思わない。僕が僕である限り。  これだけは信じてほしい。  ユイ、僕はきっと、君のために生まれてきたんだ。  なのに、ハニー。君の心の中には、もしかしたらもう、他の誰かが……。  そのとき、ノックの音と共に、 「入るよ? ユイ」  ママさんの声がした。  僕は慌てて、涙で曇りかけていた顔を上げる。  やっぱり、大好きな女の子の家族の前では、少しでも好感度を上げたいから。  ……たとえこの恋が、終わりかけているのだとしても。
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