雨宿り

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神社の屋根は古くなっており、直すお金がないのだろう。 それでも、神社内に草があまりない。 人の手が入っている気配がする。 きっと地域の方々が思い入れがある場所なんだと思う。 直すお金がなくても、神社の中は綺麗にしておこう。 そんな優しい気持ちが伝わってくる。 優しさか。 彼は優しかったっけ。 時間が経てば経つほど記憶は忘れいってしまう。 ずっと彼のことで忘れることができないことがあった。 でも、何のことだったっけ。 そうやって思う日が最近増えてきた。 なんで記憶って大切なはずなのに忘れていってしまうのだろう。 そんな風に思っていると突然、端末から着信音が聴こえた。 誰からだろう。 店長かな。 見当がつかないなと思いつつバックの中から端末を取り出した。
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