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その誰かは被っていたフードを下げた。
そこには銀髪の青年がいた。
青年は顔などを拭きながら話をしてくれた。
自分はこの神社の付喪神であるとか摩訶不思議な話を話していたと思う。
そんなわけあるかと思うが 何故かあの時の私は信じていた。
多分銀髪なのと顔がきつねに似ていたからだと思った。
青年の話が終わるとちょうど雨が上がり、夕日のそばには綺麗な虹がかかっていた。
その日以降会うことはなく時折神社で祈ったが会えなかった。
しかし意外なところで彼とは再会した。
近所に美味しいケーキ屋さんが出来たと噂で聞きいた母に買い出しを命じられた。
そこは通学路と反対にあるため噂だけしか知らなかった。
注文を決め、持ち帰るため包装をしてもらった。
扉を開け一歩を踏み出したところでちょうどケーキ屋さんの裏から出てきた貴方と再会した。
本当にあの話を信じていた私は驚いた。
「あの神社の付喪神じゃなかったの。」
貴方にそう伝えると大笑いした。
歩きながら自己紹介をした。
3歳差だと知り、また驚いた。
もっと離れていると思ったからだ。
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