雨宿り

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半年が過ぎた頃、久しぶりにあのケーキ屋さんを訪れた。 彼をよく知る店長に会うためだ。 そして自分の中で区切りを付けたいそんな思いからだった。 もしかしたらどこかで生きているという望みをかけ尋ねた。 「彼が一時帰国しなかったのは……」 そのあとの言葉に詰まってしまった。 どう言えばいいかにだ。 亡くなったからですかなんて思いたくもないし、声にも出せなかった。 「顔、青いけど大丈夫かな。彼がどうなったか知るって決めたんでしょ。」 そう店長に諭されてしまった。
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