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私はハッとしてしまった。
自分の中で区切りをつけたいと思っていたのに。
頭はわかっていても、心が追いついていない。
ダメだな。
ほんと、彼に会わなくなってからこんな弱くなってしまうなんて。
ほんと彼が見ていたら、笑われてしまう。
ゆっくりと深呼吸をした。
もう一度、気持ちを整えるために。
一呼吸し終えると心が落ち着いた気がした。
「彼はもうこの世にはいないんですか。」
「最後までよくいえたね。」
店長は少し微笑んでくれた。
きっと店長は知っていても、私に伝えないことを選んだと思う。
私の中できちんと気持ちを整頓させるために。
店長はちょっと待てと言うと、住所を書いた紙をくれた。
そこには近所でも有名な墓地の住所とある程度の地図が書いてあった。
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