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18歳。彼女ができた。同じ高校の後輩で、Subだった。
小柄で、胸は少し小さかったけど、愛嬌があって甘え上手。Subに甘えられるのは、Domの喜びだ。
オレはすぐに彼女とプレイをした。
おすわりも待ても、のえと違ってちゃんと従ってくれて。ちゃんとオレの支配欲は満たされた。
だけど彼女は、プレイよりも先の行為を強請ってくる。
「ねえ、先輩。もっと気持ちいいこと教えてよ」
彼女のそんな一言に煽られて、付き合って3日でセックスした。
初めてのセックスはすごく気持ちがよくて。上手には出来なかったけど、それでも、興奮を全身で彼女にぶつけた。
だけど、彼女とはすぐに別れた。
オレがのえとも関係を続けていることが気に入らないと彼女は言った。のえとのプレイを辞めて欲しいと泣かれた時、自分の中で急に熱が冷めた。
……オレがのえとプレイしてること、お前には関係なくね? そう言ったら彼女はますます泣いた。
そんな後輩を振って、また違う相手をみつけた。ダイナミクスのパートナーと、恋人を割り切ってくれるようなノーマルの女の子。だけど、その子とも長くは続かなかった。
プレイは出来ないし、セックスは普通。……そう、普通すぎて物足りない。
女の子とセックスするのは気持ちいいけれど……イマイチすっきりしきれていないのだ。
なんか違う。
そう思いながら、ころころと女をとっかえひっかえし、プレイとセックスを繰り返した。性欲は満たされていくのに、なにか物足りない。
そんなオレの隣で、のえはいつも「またか」と呆れたような顔をしていた。
「長続きしねえんだよなー」
「だろうな」
「うっわ。のえ、チョーひでぇ……」
のえは何か言いたげな顔をしていたけれど、それ以上は何も言ってこなかった。きっと、のえも気付いているのだろう。
オレが、暴力で欲求を満たしている、ということを。
下手に女の子に手をあげてしまって、それが問題になるのは避けたかった。だから自分の中で「殴ってもいい相手はのえだけ」と決めていた。
のえはオレが手をあげても許してくれるし、なにより男だから身体は強かった。女の子の華奢な身体を痛めつけるより、のえのようながっちりとした男の身体を傷つける方が安心して興奮を得られる。
人を殴った時に得られる優越感と、快感。それを教えてくれたのはのえだ。初めてのえを殴った時のあの感覚が忘れられない。
はじめこそ、そんな感情に混乱したけれど……今ではプレイの度にのえに手をあげてしまう。
それは躾けのためだ。のえがSubになるために必要なこと。そしてそれがオレの快感になるのなら一石二鳥とすら思う。
「もう一層のこと、お前と付き合えたら楽なんだけどな」
思わず漏れた独り言。のえには届いていなかったようだけど、いつしかそんなことを思うようになっていた。
プレイは下手糞な出来損ないだけど、一緒にいる時間は一番長い。あいつがオレを受け入れてくれるなら、そんな関係も悪くない。そんな風に思っていた。
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