石田さんち

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玄関を上がると床がピカピカだった。 わたしのカゲがうつるくらい上品にみがきあげられた床に足がすべらないように歩いて、おじさんとおばさんが開けてくれたドアから、部屋の中に入ったの。 「いらっしゃい」 そこには、1人のおばあちゃんがいた。 団らんが出来るような椅子とテーブルがあったんだけど、その人はそこに腰をかけてニコニコしてわたしに挨拶をくれたの。 「こんにちは。はじめまして。水島 有咲です」 立ち止まって挨拶をお返しすると、おばあちゃんはさらにニコニコして笑ってくれた。まるで犬のパグみたいなシワが見えるお顔だったけど、優しそうな人だなってちょっと思った。 きんちょうしてたけど、みんな優しそうだからなんとかなるかもしれないわ。 「まあ、座りなさいな。遠いところからよくきたねえ」 「そうだよなあ。アリサちゃんそこに座って。飲み物はなにがいいかなあ? オレンジジュース飲む? 」 おじさんはそう言って、おばさんと一緒にお皿にのった緑色のぶどうと、オレンジジュースを持ってきてくれたの。 わたしは目がくぎ付けになった! だって、この緑色のぶどうってシャインマスカットじゃないのかしら? あの種もなければ皮まで美味しいすごく高いぶどうよ! わたし、大好きだからゴクリ、とのどを鳴らしちゃった。
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