星花の話

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星花の話

 私は大学1年になった。 医学部を選考。医者に成りたかったから。 女医になってママの様な、お母さんを助ける。 だから心臓外科を目指した。 心臓で私のママの様に、難産で命を 落とさないように。 生まれる子供はどうやって、パパとママを 選ぶんだろう。 ママは私を、生まれさせてくれた。  でも私は知っている。 せっかく生まれた命を虐待と言う名でイジメ殺す親もいる事を。 腹いせの吐き口のサンドバックにする事を。 子供は親の物じゃない。オモチャじゃない。 ちゃんと心を持ち、感じて悲しんだり喜んだりする。 そして親に愛されたいと願う。 当たり前だけど、その当たり前の愛もくれない親もいる。 反対に子供が欲しいと願い続け、病院に通う人もいる。 私はママに抱かれた事も無い。 でも愛されてた。生まれる前から愛されてた。 私をこの世に、生まれさせてくれたママ。 その選択は、辛さと(うれ)しさになって 私を包んだ。 大きくなるにつれ、その思いは どんどん大きくなる。
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