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サトダさんの手は大きい。
そして、温かい。
当たり前だけど。
男の人だし。
行こう、と呼ばれて、手をつないで歩く。
デートみたいだ。
「デートみたいですね」
ふふふ。楽しい。
「ん。これはデート」
サトダさんが、普通に言った。
サトダさんがはっきり言うから、なんかびっくりして、
「デートですか? これ?」
と聞きなおしてしまった。
「じゃ、それ以外、なに? デートでもないのに、手ぇ、つなぐか?」
ちょっとむっとして言われてしまった。
だって。
わけのわからない関係だから、デートとかは、しないのかと思っていた。
「つなぎませんね」
高原の見晴らしのいいところに着く。
「きれいですね」
森が遠くまで見渡せる。
違う色の緑の重なりが美しい。
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