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そのまま手を繋いで、駐車場に併設する公園まで戻ってきた。
「杏ちゃん、アイスクリームとコーヒー、どっちがいい?」
サトダさんが、アイスクリームの旗が立っている公園のカフェを指して、聞いてくれる。
アイスクリームも好きだけど、すこし喉が渇いている。
「アイスコーヒーがいいです」
一緒にカフェに行くと、フラペチーノがメニューにあるので、それを頂く。
サトダさんは、ブラックの微糖のアイスコーヒー。
カフェのテラスに座る。
本当にデートみたい。
コーヒーを飲んで、
「杏ちゃん。さっきの話だけど」
とこっちを見る。
眩しい。
「はい」
なんだか恥ずかしくなって、私のフラペチーノを手に取る。
「付き合ってくれるの?」
サトダさんが伺うように、少し首をかしげて、微笑んでこっちを見ている。
「はい。よろしくお願いします」
あぁ。ドキドキする。
顔が熱い。
サトダさんは、こんな風にしっかりお付き合い宣言するんだな、と少し驚いた。なんとなく、そうなる、っていう人だと思っていた。
「サトダさん、ちょっと意外です」
笑ってしまった。
「なにが?」
「部下じゃダメとか、ちゃんとこういう風に聞いてくれたり。しっかりしてますね」
そう私が言うと、
「お兄さんに挨拶したり?」
と自分で付け足して笑っていた。
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