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夜の更けに、ぐったりした私をそっと抱いて、おでこにキスをしてくれた。
「杏。好きだ」
何回目かわからない。
安心させるように、今夜は何度も言ってくれる。
「はい。私も」
頷いて、サトダさんの胸に顔をうずめる。
サトダさんが私の髪を掬って、そっと頭をなでている。
夜の闇に雨の音がかすかにきこえる。
エルマーの竜は、今どこを飛んでいるのだろう。
ー*アンサイド*完ー
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