二ノ宮さん

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 課長から二ノ宮さんを正式に俺のサポートに付けるという話があった。 課長も森本も「くみちゃん」呼びするのは、別に悪気がないんだろうけど、不謹慎だ。 案の定、二ノ宮さんに見つかる。 変なあだ名に気が付いても、「きんちゃんより、ましですね」と笑って、引き攣った森本の緊張を解いた二ノ宮さんは、大人だ。 バカな森本は、仮装大賞とか言っている。 二ノ宮さんの年代じゃないだろう。 そのうえ、二ノ宮金次郎のほうが年代が古いと俺に文句を言っている。 バカだ。 そんなバカな森本にも、二ノ宮さんは、コーヒーを淹れている。 お茶くみはしなくていい、と最初に説明した。 それでも「私が飲むので、一緒にどうですか?」と俺がデスクに座っていると声をかけてくる。 「じゃ、お願いします」と、ブラックを頼む。 そしたら、両隣のやつにも聞いていた。 もれなく、右隣の森本にも。 ほっとけばいいのに。 俺が出張の時も、みんなに淹れているのだろうか。 たまにコーヒーと一緒にチョコをくれる。 なんにも言わないで、「どうぞ」とチロルチョコを三個くらい。 ちらっと森本を覗いても、あいつにチョコはあげていない。 なんかうれしい。
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