1748人が本棚に入れています
本棚に追加
/208ページ
課長から二ノ宮さんを正式に俺のサポートに付けるという話があった。
課長も森本も「くみちゃん」呼びするのは、別に悪気がないんだろうけど、不謹慎だ。
案の定、二ノ宮さんに見つかる。
変なあだ名に気が付いても、「きんちゃんより、ましですね」と笑って、引き攣った森本の緊張を解いた二ノ宮さんは、大人だ。
バカな森本は、仮装大賞とか言っている。
二ノ宮さんの年代じゃないだろう。
そのうえ、二ノ宮金次郎のほうが年代が古いと俺に文句を言っている。
バカだ。
そんなバカな森本にも、二ノ宮さんは、コーヒーを淹れている。
お茶くみはしなくていい、と最初に説明した。
それでも「私が飲むので、一緒にどうですか?」と俺がデスクに座っていると声をかけてくる。
「じゃ、お願いします」と、ブラックを頼む。
そしたら、両隣のやつにも聞いていた。
もれなく、右隣の森本にも。
ほっとけばいいのに。
俺が出張の時も、みんなに淹れているのだろうか。
たまにコーヒーと一緒にチョコをくれる。
なんにも言わないで、「どうぞ」とチロルチョコを三個くらい。
ちらっと森本を覗いても、あいつにチョコはあげていない。
なんかうれしい。
最初のコメントを投稿しよう!