宵のエルマー

二ノ宮さん

　年末、課の忘年会に参加して、珍しく二次会まで残ってみた。

今日、東京から戻って来たサトダさんがさっき、どうしてもやらないといけない仕事が済んだら、二次会から参加するというのを聞いていたから。

普段どうって、男の人に興味を持つことが少なくて、恋愛経験もそれほどないのに、なぜかこの人には興味を惹かれる。

なにか気配がする。

普段、ギラギラして、へらへらしているサトダさんは、地味に凡庸に徹している私から遠く、反対側にいる人なのに、どこか、同じ匂いがする。

それが気になる。
どこか魅かれる。