宵のエルマー

杏ちゃん

エルマーが竜を自由にしても、出張のたびに電話する。
二冊目のお話では帰り道のエルマーと竜の冒険が続いている。

自由になったのだから、少しくらい、楽しんでもいいだろう？

下の名前「杏ちゃん」と呼んで、くだらない話を少しだけ話す。

電話の中だけ、少しずつ職場の先輩としてじゃなく、ただの男として意識してくれたらいい。

ちょっとずつ、距離を縮める。

ルール違反にならない程度に。

怖がられないような距離を保って、そっと、近づいていく。