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グループの端に座っていたら、
「珍しいですね。二ノ宮さんと二次会で会うの」
と、話しかけられて振り返ると、サトダさんが遅れて来ていた。
「そうですね」
それだけ言う。
なんとなくサトダさんが来るまでいたくって、二次会に残ったなんて言えるわけがない。
一次会の乾杯から何杯か頂いて、もう少し酔っている。顔が赤いかも知れない。
「あんまり普段、飲みに行きませんか?」
やっぱり、飲み慣れてないのが顔に出ているんだろうか。
「お酒弱いんで、誘われないんです」
多分、職場で誘われないのは、それだけじゃなくって、セクハラ問題、あのくみちゃん事件で気を使われているんだと思う。
誘われないどころか、男性社員は週末何しているかとか、プライベートな質問すらしない。
そんなに気を使わなくてもいいのに。
「へぇ。誘われたら、行くんですか?」
誘われないという言い方をしたからか、サトダさんがそんなことを言うから驚いた。
そんなことを聞くサトダさんこそ、うちの女性社員を誘わない。
アシスタントとして、一緒に働いて随分経つのに、その境界線ははっきりしている。
社外の女性とは、気軽に飲みに行ったり、それ以上の事をしている風なのに。
「サトダさんだって、誘ってくれないじゃないですか」
一番近くにいる人が誘ってくれないような私なのに、誰も誘ってくれるわけがない。
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