二ノ宮さん

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「はい。写メしておくりますよ。……ふふっ」 メモには右端に幾何学模様と下の方になんだかわからない丸顔のイラストが二個書いてある。 あのサトダさんも、電話しながら、メモに落書きしたりするんだなと思ったら笑えた。 「何?」 「落書きがあったので。何でもないです」 「あぁ、変なの書いてました? なんだろ?」 もう自分でも何を書いたか忘れたようだ。 「明日、飛行機、早いんですよね? まだお仕事ですか?」 「いや、もうホテルです。考えごとしてたら、メモのこと思い出して」 サトダさんは、いつも仕事をしている。いつ寝るんだろうか。 「そうですか。あんまり働いてないで、寝てください」 海外出張に行く前くらい、休んでくれたら良いのにと思って、なんとなく付け加えた。 「ははは。うれしいな。心配してもらって」 サトダさんから、お世辞のような優しい返事が来た。
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