美和さん

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美和さん

あの人はなにか心に隠していると思う。 どこか私と似た匂いがする。 なにか大きな箱を心の中に持っていて、蓋をしている。 それが何なのか、まだわからない。 夜が来て、電話が鳴る。 エルマーは冒険を続けている。 七匹の虎がチューインガムを噛んで、サイが角を磨いている。 捉えられた竜の子供はもうすぐ自由になる。 もうお話の終わりは近いのに、箱の中に何が入っているのかサトダさんは見せてくれない。 そんなサトダさんが、私の心の中に居座っている。
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