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三木さんが、盛田さんの「拗らせてる」発言に反応した。
「なんですか、それ? 二人でそういう?」
首をかしげている。
盛田さんが大笑いした。
笑っていて、全然、誤解を解こうとしない。
「違いますよ。きっと」
私が付け足したけど、本当に違うかどうかも分からない。
「いや、上原君は普通にタイミングが悪いって言ってるかな。でもなんか、秘密主義で分からない。サトダは、ただ遊んでる。
若い時は、ちゃんとした彼女いたみたいだけど、海外赴任で別れて、それからずーっと遊んだり、短い間だけ彼女いたり。……でも、うちの社員には手出さないよ」
盛田さんが三木さんに説明した。
私も海外赴任をきっかけに別れたというのは、初めて聞いた。その時のちゃんとした彼女というのは、あの人の事だろうか。
「最近はあんまり遊んでもないみたいだけど」
盛田さんがちらっと私の方を見て言った。
確かに言われてみれば、残業中に女性と電話しているような現場をここしばらく見ない。
内心、病院で、あの人に会ったからかな?と思う。
盛田さんは、私はサトダさんのサポートだから、なにか知ってるんじゃないか? とでも思ったのだろうけど、私の知るところではない。
「そうですかねぇ」
それくらいで合わせておいた。
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