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社食を出たら、丁度、上原さんに呼び止めたれた。
「二ノ宮さん、ちょっといいですか?」
「はい」
足を止めると、上原さんはいつもの様に
「最近、どうですか?」
と聞いてきた。
全社員にこうやって、少しずつ声をかけているんだったら、本当に凄い人事だ。
「お陰様で、順調です」
軽く頭を下げた。
「もう一年位、サトダのサポートしてもらってますけど、どうですか? あいつ、大人しくしてます?」
上原さんとサトダさんは同期だ。
心安いんだと思う。
「サトダさんは、ちゃんとお仕事されてますよ。いつも忙しそうです。身体を壊しそうで心配ですけど」
そう言ったら、上原さんがふっと笑った。
「二ノ宮さんに、心配してもらえるんなら、死んでも頑張るんじゃないですか」
「私が心配してもしなくても、サトダさんは頑張っていますよ」
上原さんは、それなら良かった、と言って微笑んだ。
「ちょっとまた、お話する事があるかもですけど、その時はメールします」
それだけ言うと、帰って言った。
正式なお話なら、年度末の面談でもあるのだろうか、と思う。
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