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混乱したまま会議室をでて、廊下で上原さんに頭をさげた。
「これ、一応、部長とサトダにも話してありますから。相談してもいいですよ。」
そう言って、やんわり微笑む上原さんの言葉にドキっとした。
サトダさんは、異動の話を知っているのか。
今夜、出かけるように誘われたのは、個人的なことだと少し浮かれていたけれど、もしかしたらこの話をするためだったのかもしれない。
会社が持って来た異動の話に、あのサトダさんが反対するわけなかった。
もし私が受けたら、サトダさんのサポートは誰になるのだろう。
この間の社食での会話を思い出す。
三木さんだったら、嫌だ。
三木さんは、大卒でまだ入ったばっかりだけど、私は配置されてすぐサトダさんについたから、ありうることだった。
子供っぽい。
とてもバカみたいなことを考えながら、自分のオフィスへ戻ろうと階段を上がっていたら、前から階段を下りて来た人にぶつかりそうになった。
「あ、すみません」
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