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電話でもらっていた他社との会議の予約に返答するのを忘れていた。
三木さんと連絡してうまくやっているつもりが、ミスをした。
会議の打診があった日時では、別の社内会議が入っていて、一時間遅れてしまう。
調整できるか先方に聞いてみるはずが、それを三木さんに任せたつもりで確認しなかった。三木さんは私が先方と調整してから、スケジュールに入れるようにするのだと思っていた。
完全に私のコミュニケーションミスだった。
いつも参加している会議なので、返答がないということは、参加だと思われていたらしい。
会議に現れないサトダさんには社内会議中で連絡が取れず、デスクに先方から電話があって、ミスに気が付いた。
「え?すみません。はい、それは……えっと」
電話を取った三木さんが困っている。
代わってもらうにジェスチャーして、私が電話を取る。
話をきいて、はっとした。ちょっと前に打診があった取り引き先の会議だとすぐに分かった。
「すみません。こちらのミスです。会議時間変更のお伺いをするはずでしたが、私のミスです。すみません。……佐藤が戻り次第、スケジュールを確認しまして、再度連絡させていただきます。……申し訳ございません」
何度目かのお詫びを口にしていたら、サトダさんが会議から戻って来たらしく、私のデスクの隣に立つと、素早く電話を替わろうとする。
「だれ?」
口でジェスチャーして聞いてくる。
これは、私のミスを一度説明してから、電話を折り返してもらったほうがいいだろうと思って、首を横に振った。
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