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「浩輝くんのことは大好きだから、ケンカ別れしたくないんだ。あのね、茉理やっぱり結婚することにしたの」
上昇するエスカレーターに並んで足を乗せた。
「そんなことを言うためにわざわざ見送りに来たのか!」
イライラした様子で浩輝くんは語気を強めた。
「ラインでお別れなんて寂しすぎるもの。浩輝くんにはスイスにいた頃から助けてもらったし」
「そうだろ。俺くらい茉理を理解している人間はいないからな。せっかく変態オヤジから救ってやったってのに、なんでまた中年のロリコン男と結婚なんだよっ!」
浩輝くんの大声に驚いたのか、前に立っていたエスカレーターの乗客がチラッと振り向いた。
「……ロ、ロリコンとは違うよ」
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